ハースストーンで狩りの時間だ!

デッキ紹介したりとかちょっとした考察コラムとか。 主にゴールド~ダイヤモンド10ぐらいの人向け

混沌とした環境、どうデッキを組む? 秘策ミッドレンジハンター

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「博士のメカメカ大作戦」実装後の新環境が始まりそろそろ1週間。 ランク戦においても様々なデッキが見られ、デッキ選びに難渋しているのではないでしょうか。

 

 使うデッキや相手の対策に困っている場合、時間帯に注目してみてもいいかもしれませんね。

 例えばアジアサーバーでは、朝~昼ごろはズーや奇数ローグ、テンポメイジといった早いデッキが多め、夕方以降は殆どがドルイドウォーロックのコントロール系デッキといった印象です。

 

 今回はランク10に到達した秘策ミッドレンジハンター、それを組むに至った経緯と私の考え方を中心にまとめてみたいと思います。

 

 

 

 

現環境の難しさ

 8月12日現在で遭遇することが多く感じるデッキはウォーロックドルイドという2大コントロールクラスです。 拡張によりさらなる圧倒的なデッキパワーを誇る相手のため、バリュー勝負では分が悪く、早期決着の方針でいく必要があります。

 

 しかし、どちらも序盤~中盤にかけてミニオンが少なく、秘策でのイーグルホーン・ボウの耐久度回復が見込みづらく、秘策ハンターとしては攻めづらいです。 また、エメラルドの呪文石に対してそれぞれ広がりゆく虫害地獄の炎という解答を持つクラスでもあります。

 逆に、序盤~中盤の防御を呪文に頼っているため、呪文のターゲットにならないサメグマを軸に攻めていけば存外脆いです。

 

 現環境の難しいところは、ウォーロックにはズーも多いというところです。

 ミッドレンジハンターとして相対した場合、ウォーロックは極めて優秀な1マナカードが多く、序盤の展開から押し切られそのまま負け込んでしまうことがままあります。

 また奇数、逃げ足ローグも決して少なくない人数おり、警戒するべき相手です。 これらも呪文に頼らない除去を豊富に持ち、純ミッドレンジハンターとして戦うのは厳しい相手です。

 

 

 

 ですので、どのような相手にも対抗できるよう、ミッドレンジハンターと秘策ハンターのどちらもいいとこ取りする秘策ミッドレンジハンター(ハイブリッドハンター)を組みました。

 調整を繰り返し、最終的にランク10到達に至ったレシピが以下になります。

 

デッキレシピ

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AAECAR8GrgadzALDzAKG0wLh4wKnggMMngGoAocEyQTrB/4MjsMC180C3dIC39IC49ICi+UCAA==

 

デッキ概要

 ダイアーモール電撃レイザーモーサメグマ猟犬使いというミッドレンジハンターの黄金ムーブと、秘策x2からのエメラルドの呪文石という秘策ハンターの黄金ムーブ、どちらの展開も可能な構成です。

 

 こちらからミニオンを展開する動きがあるので、全8枚の秘策のうち4枚を、相手からの除去・展開を妨害する、凍結の罠狙撃毒牙の罠にしています。 これら秘策は盤面争いを強く意識したものでもあります。

 

 また、側面攻撃毒牙の罠実験台9号は獣と秘策どちらの動きにもシナジーがあります。 これにより手札事故を防ぎつつ、猟犬使い殺しの命令といった強力なカードにつなげることができます。

 

 実験台9号死線の追跡者レクサーという2枚のリソース補充カードにより、手札切れを気にせず一気に押し切るという単純ながらハンターの最も強い動きをしやすいのもこのデッキの強みです。

 

 

カード解説

必須カード

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ダイアーモール、レイザーモー、サメグマ、猟犬使い

 解説不要、現在のハンターの黄金マナカーブ。

 新拡張で呪文カードが増えたため、コントロールデッキは以前よりさらに多くの除去呪文を積む傾向にあります。 同時にスペルブレイカが減ったため、サメグマにバフを一点集中する戦術が強くなっています。

 

爆発の罠、凍結の罠、ワンダリングモンスター、イーグルホーン・ボウ、エメラルドの呪文石

 先手をとられた場合のワンダリングモンスター、盤面の取り合いで傷ついた相手ミニオンを片付ける爆発の罠ヘンチクランのごろつきだろうが強制退場させる凍結の罠。 特に最序盤の盤面争いにおいて、不利な状況から攻めに転換できる数少ないハンターのカードです。

 

側面攻撃

 除去と獣の展開を兼ねるため、ミニオンを展開しない秘策ハンターとしての動きから、電撃レイザーモー猟犬使い殺しの命令といった獣シナジーに切り替えることができます。

 

殺しの命令

 ハンターは他クラスと異なり、「単体で明らかに強い」というカードはほとんどありません。 そのため、総じてデッキパワーが低くなりやすく、早期に決着をつける必要があります。 殺しの命令は条件を満たしてようやくメイジのファイヤーボール相当のカードになりますが、1マナ安いため早期バーストダメージに向いたカードです。

 

実験台9号

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 鳴り物入りの新レジェンドにして、このデッキのMVP。

 秘策の大量ドローにより、手札を湯水のように使い続けられるというのが何より強いです。 たとえエメラルドの呪文石を手札に引かなくても、このカードからの秘策連打で押し切ることができるほど。

 秘策を4枚ドローすれば追跡術2枚相当のデッキ圧縮+ドローですので、それを考慮に入れると実質3/4/4+追跡術x2というカードになりますね。 ...おや、これかなり強いのでは。

 あくまで5/4/4というスタッツは強くないので、4ターン目コイン+実験台9号、もしくは7ターン目に実験台9号+適した秘策1枚という動きが良いです。

 

 

準必須、重要カード

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キャンドルショット

 便利なカードですが、中盤以降は腐りがちなため1枚のみ採用。 相性のいい狩人の狙いを入れるとデッキ全体のパワーが落ちることも影響しています。

 

狙撃

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 コントロールデッキから中継ぎの挑発ミニオンが減り、キーカードとなるミニオンの割合が高くなっています。 狙撃はそれらキーとなるミニオンを文字通り狙い撃ちにできます。 メイジ全般にも強いです。

 また、こちらがミニオンを展開している場合、爆発の罠ワンダリングモンスターはほとんど発動する機会がありませんが、狙撃は発動しやすいためイーグルホーン・ボウの耐久度を回復させるという点においても強力です。

 個人的な好みとしては2枚採用したいぐらいです。

 

毒牙の罠

 狙撃と同じく、こちらがミニオンを展開している場合に発動しやすい秘策です。 猛毒を嫌って、相手が除去を毒蛇に割いてくれるのも強みです。

 生き残った毒蛇を相手の大型の処理に回せるのはもちろんですが、獣シナジーの起点にも使えます。

 

ピュートリサイド教授

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 秘策を追加で張ってバリューを高めてくれるのはもちろんですが、何より4/5/4というバニラスタッツのため、4ターン目にそのまま出しても弱くはないというのが何よりもいいカードです。

 実験体9号の秘策大量ドローにより、中盤以降も手札に秘策が残りやすく効果を発動しやすいのも採用を後押ししています。

 

秘密の番人

 秘策x2→エメラルドの呪文石と動く場合に、隙間を埋めてくれるミニオン

 このミニオンが特別強いというわけではありませんが、「1ターン目にシナジーがあるミニオンを置く」という動きが対アグロにおいて何よりも重要です。

 

非採用カード

秘密の計画

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 便利なカードです。 が、メイジのカードと比べると、始原の秘紋のようなコスト低減効果はなく、魔力の鍵屋のように実質オーバースタッツになるミニオン(魔力の鍵屋は秘策3マナを自動で張るため実質1/2/2)もありません。

 実質的に1マナロスしているため非採用にしました。 実験台9号でのドロー対象にもなりません。

 

狩人の狙い

 単体では除去にならず、結局こちらのミニオンを消耗しなければならない状況がしばしばあるため不採用。

 追跡術の非採用もあり、プレイ中、これを引くより殺しの命令挑発を無視して直接フィニッシュしたいという、環境とデッキの構築方針全体の兼ね合いもあります。

 

追跡術

 1マナのロスも惜しいため不採用。

 そもそもこのデッキはコンボ要素がかなり少なく、マナカーブさえ合えば手元でカードが腐るという事態はまずありません。

 実験台9号を引くことができれば、秘策サーチにより追跡術2枚と同様のデッキ圧縮が可能であることも後押しして非採用にしました。

 かなり便利なカードであることに間違いはないので、上記準必須カードと差し替えるならこのカードかもしれません。

 

縫い目の追跡者

 縫い目の追跡者はカードのコピーによりデッキのバリューを増す、あるいはコンボパーツを集めるためのカードで長期戦向きです。 殺しの命令採用で早期決着を望むデッキのため不採用。

 

獣の相棒

 ハンターの3マナと言えばこれ、とすら言える、ランダムとはいえ3.5~4マナ相当なカードです。

 元々サメグマではなく手癖でこのカードを採用していたのですが、対コントロールを見直して、呪文耐性のあるサメグマに差し替えました。

 

蛇の罠、腐肉喰いのハイエナ、猟犬を放て!

 エメラルドの呪文石で横展開している場合、蛇の罠はしばしば盤面があふれます。

 猟犬を放て!ミニオンを展開しないタイプのデッキには無力なため非採用。

 両者にシナジーが強い腐肉喰いのハイエナも活かせないためセットで非採用。 そのぶん2マナの秘策には盤面争いに使えるものを多く採用しています。

 

翼の暴風

 条件で1マナ4ダメージという効率の良さが魅力ですが、ミニオン死亡時という条件は盤面争いの激しい対アグロにおいて有効であり、コントロールデッキの多い現環境では獣召喚も兼ねる側面攻撃を優先しました。

 

苔むしたモノノケ、ヴォイドリッパー

 それぞれ広がりゆく虫害含み笑う発明家というやっかいな挑発に対するテックカードです。

 テックカード=手札で腐りがちなカードでもあること、追跡術非採用デッキなため、併せてこれらも非採用に。

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おわりに

 今回のデッキ調整、特に秘密の番人やピュートリサイド教授といった秘策関連の採用は実験台9号の存在が大きいです。 が同時に、環境を見て秘策全体の枚数と内容を調整しています。

 デッキ全体としてもコンボ要素を減らし、序盤の展開と継戦からリーサルまで、獣と秘策のそれぞれのルートおよび相互シナジーを整えることによって成り立たたせています。

 元々秘策一本で、縫い目の追跡者でピュートリサイド教授を増やしてバリュー勝負を挑んでいたのですが、コントロール相手に結局攻めきれずデッキ方針から見直すことになりました。

 その後も手癖で入れてしまっていた獣の相棒を相手デッキから考えて差し替えたり、秘策の発動率に頭をひねったりと、非常に練り直して調整したデッキです。

 

 いろいろ書いた内容が、読んでいる方のデッキ構築やカスタマイズの助けになればと思います。

 

 

 

おまけ

 慣れてない人向け、特に対アグロ~対ミッドレンジにおける、盤面争いからフェイスへの切り替えタイミングについて。

 

 手札の殺しの命令イーグルホーン・ボウヒーローパワーを加味して、「次のターンに直接何ダメージ出せるか」「その間相手に回復や挑発があるか(相手の使用可能なマナと呪文に注意)」

 この2つを考えてリーサルを決められると判断したら全フェイスのタイミングです。 さらに次のターンまで考えられれば文句なしです。

 

 ハンターの醍醐味とも言える瞬間!